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「Tailor加工 Premiumプリント・イン、Premiumシール」開発ストーリー Tailor(仕立て屋)のような仕事ぶりでベルト(生地)の付加価値を高めたオンリーワンの加工技術

食品工場の生産ラインにおける異物混入の排除に成功した「Premium プリント・イン」

「今までと違った何かが生まれるかもしれない」というシーズ志向から始まった開発

私が所属している部門は、ベルトに付加価値を付ける二次加工の開発をしています。「Tailor加工」と呼んでいるのは、加工を上質な背広を仕立てる仕事ぶりになぞらえたもの。ベルト(生地)の仕立屋というイメージです。

開発はお客様のニーズから始まることもあれば、自分たちの発想から技術を生み出していくシーズ開発の場合もあります。2015年に発売した「Premium プリント・イン」の場合、開発のきっかけは、研究用に大型インクジェットプリンターを導入したことでした。ベルトにプリンターで印刷ができるのか、できたとしてどんな付加価値が生まれるのかわかりませんでしたが、「今までと違った何かができるかもしれない」という発想から研究を始めたのです。

結果、製品化に4年を要しましたが、ベルト内部の樹脂に文字や絵を印刷して、その上に透明シートと帆布を張り合わせる加工方法で、現在でも他にはない技術です。当時、食品工場の生産ラインでは、ピッキング作業の位置決め用マーキングは、ベルト表面に色のついたシートをプレスするなどの方法で行われており、マーキングの剥離による異物混入が問題となっていました。プリントが消えたり、剥離したりすることがない「Premium プリント・イン」は、こうした業界の課題解決にマッチし、パンや菓子などの食品工場で採用が広がっています。

プリント部分と透明シートの接着には苦労しましたが、開発はとにかく楽しい作業でした。新しいことに取り組むと勉強しなければならないことも増えますが、自分のためと思えば苦にはなりません。試行錯誤を経て製品化に成功し、国際食品工業展でプリントをお披露目した際に、多くのお客様からたくさんの反響をいただいたときは、とてもうれしかったですね。

「自分の畑だけで仕事をするな」 いろいろなことに挑戦できる環境が好奇心を刺激

私は文系学部の卒業ですが、手先の器用さなどを買われて開発職に異動したのが、10年ほど前です。Tailor加工のカタログ作りではロゴのデザインもさせてもらい、展示会ではベルトで作った洋服を作って展示したこともありました。「自分の畑だけで仕事をするな」が技術部長の口癖で、いろんなことに挑戦させてくれるので、好奇心旺盛な私にとっては願ったり、叶ったりの環境です。

「プリント・イン」は複雑なデザインもプリントできるため、ルームランナー用のベルトに畳柄を印刷したり、展示会などで会社のロゴや画像をベルトに入れてPR用に活用したりと、食品業界以外でも用途が広がっています。こうした用途は、自ら営業にかけあってアピールしてもらったもの。開発したものを営業と一緒になって提案まででき、用途を広げていけることも、大きなやりがいです。さらに社内の技術者交流から別の事業部の製品へも用途が広がっています。ユーザーへの同行訪問も、喜んでいきますよ。お客様の声を直接聞けるのは大きなチャンス。それをもとに、さらに付加価値の高い製品を開発してみたいですね。

生産効率の高い加工法でベルトへ水や油の侵入を防ぐ「Premium シール」

他社品にはない性能と生産効率性の追求が開発のスタート

私が開発に携わった「Premium シール」は、ベルトの両端の耳部にシール材を溶着して、水や油の浸透を防ぐ加工技術です。開発を始めた当時、競合他社では、ベルト端部のシール加工を大々的に売り出し、市場を賑わしていました。当社でも耳シール加工を行っていましたが、加工に手間がかかって生産効率が悪く、生産部門からは「もう少し加工しやすくならないか」という声があがっていました。そこで、他社品にはない性能を持ち、生産効率の良い加工方法を目指した開発が始まりました。

開発のポイントは、ベルトとシールの一体化です。従来の耳シール加工法は、ベルトに部材を圧着する方法だったため、シールが剥離する可能性がゼロではなかったためです。「Premium シール」では、シール部材を溶着する方法でベルトと完全に一体化することに成功し、シールが剥がれる可能性がなくなりました。異物混入の恐れがなく、現在、食品用途の搬送ベルトで幅広く使われています。食品に含まれる油分や液体などがベルト端部から侵入することがなく、衛生的。さらにベルトの波打ちや収縮もなく、大変喜ばれています。

試行錯誤の末、市場での困りごとを解決できる加工法を開発

開発にあたっては、特許が出ている他社品の加工方法を分析したうえで、新たな加工方法を検討していきました。たどり着いたのが、溶着機を使ってシールを溶着させる方法です。部材メーカーと打ち合わせて薄い形状で溶着できる部材を検討し、試作品づくりを繰り返しました。加工条件を見つけるのにも苦心しましたが、徐々に溶着機の特性を掴むことで、最終的に完全にベルトと一体化された仕上がりを実現することができました。

その結果、生産効率についても、従来はベルト幅600ミリまでしか加工できなかったものが、どんな幅にも対応できるようになり、大幅な生産のスピードアップが可能になりました。大量に早く生産できるということは、コストダウンにつながります。生産部門からも「手間が少なくなった」と喜ばれたのは、うれしい限りです。

新しい加工方法を開発するためのアイデアはどこに転がっているかわかりません。そのため、ふだんから何にでも興味を持つよう心がけています。ホームセンターなどで見かける工具類も、「何かの加工に使えないか」という目で見るとアイデアが浮かんできます。展示会も業種が異なる展示会に行くことで、新たな加工法の発見があります。

これからも視野を広く持ち、「Premium シール」のように、市場での困りごとを解決できる加工方法を開発していくのが、目標です。搬送用ベルト以外にもさまざまな工業用機能製品を作っている当社の一員として、いずれは工場で使用されるすべての製品を三ツ星製にしていきたいですね。

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