Sustainabilityサステナビリティ
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ベルトがつなぐ、産業の未来

三ツ星ベルトは、1919年に神戸にて創業して以来100余年にわたり、ベルトの持つ“伝える”“運ぶ”、そして建設資材製品の“守る”の力により、日本の、そして世界の産業発展に貢献してきました。当社の主力事業であるベルトは、例えばベアリングやメカニカルシールといった機械要素部品の一つであり、当社ステークホルダーの皆さまが目にする機会はあまりないかもしれません。当社のことをよく知っていただくためにも、まずは、当社の社名にも冠する「ベルト」とはどのようなものか――その役割と価値についてご紹介します。
伝動ベルトの役割とは、モーターやエンジンなどの動力源から生まれる回転を通じて、“力”すなわち“駆動力”を必要な場所へ効率よく、安定して伝えることにあります。伝動ベルトは、自動車や二輪車、農業機械、産業ロボット、製造装置、家庭用電化製品など、多様な機器の内部で各部品の動作を連携させる“駆動の要(かなめ)”であると同時に、それらを生み出す工作機械や組立装置にも不可欠な要素部品として、ものづくりの現場を根幹から支えています。たとえ、電動化が進む自動車や、どれほど高度な最先端技術を搭載した機械であってもそれは変わることはなく、ベルト1本が切れてしまえば、その機械・設備の機能は完全に失われてしまいます。当社は、1919年の創業以来、お客さまや社会課題の一つひとつに真摯に向き合い、その用途や環境に応じた最適な設計・素材選定を通じて、エネルギーロスの低減や機器の長寿命化に貢献しており、まさに“産業を陰で支える静かな力”とも言える製品群を提供し続けています。
成長戦略としてのESG経営への取り組み
持続可能性が企業の成長に直結する時代において、当社は単に環境や社会への対応にとどまらず、これらを経営の重要な要素の一つと位置づけ、サステナビリティ経営の実現に向けて着実に歩みを進めています。
環境に関わる取り組みでは、TCFDに基づく情報開示やScope3排出量の算定等はもちろんのこと、リスクと機会の両面から環境貢献型製品の開発にも注力しています。社会的価値と経済的価値の両立が求められるこの領域において、高効率な伝動を実現するベルトやバイオマス材料比率を高めたベルトなど、当社の技術力が果たし得る役割は小さくないと考えており、今後の取り組みの中で、その可能性を着実に広げていきたいと考えています。こうしたサステナビリティに関わる成長戦略については、サステナビリティ会議から取締役会への定期報告が行われており、取締役会においても積極的な議論が交わされています。
ガバナンスの強化については、IR・SRミーティングでお寄せいただいたご意見等を経営に反映させ、業績連動型報酬制度の導入や、政策保有株式の縮減等の取り組みを進めてきました。株主資本コストの適正化の観点からも、IR活動を通じた資本市場との信頼関係構築は重要なテーマであると考えており、引き続き投資家の皆様との積極的な対話を推進してまいります。
選ばれる企業へ
当社が今後も、持続的な成長を実現し、社会に対して確かな価値を提供し続けるためには、当社で働く従業員一人ひとりの意志や成長を、経営の中心に据えていく必要があると考えています。そうした想いから、'24中期経営計画では、「人財戦略強化」を最重要課題の一つに位置付けました。 2024年度においては、全社的な人材ポートフォリオの可視化と戦略的人材配置を推進するため、新たにタレントマネジメントシステムを導入しました。従業員一人ひとりのスキルや経験、大切にしている価値観やキャリアの方向性等をこれまで以上にきめ細かく把握し、組織の成長と個人のキャリア形成とを重ね合わせていくことを目指しています。また、従業員のキャリアオーナーシップを後押しする仕組みとして、希望するキャリアに応じて異動の希望を表明できる「ジョブマッチング制度」もスタートさせました。
人的資本経営においては、女性管理職比率が低いことやエンゲージメントスコアにばらつきがあることが現状における大きな課題です。エンゲージメントについては、単に、処遇や評価の話しだけではなく、自己成長実現への手応えや、自身の業務が社会への貢献を果たしているという実感などによるところも大きいと考えています。この認識を踏まえ、当社では、人事制度の設計・運用と並行して、一人ひとりの内発的なモチベーションを引き出す職場づくりに取り組んでいます。その実現には、日々の業務において、所属部門のメンバー一人ひとりの自己実現や働きがいを支える存在として、管理職が重要な役割を担うものと考え、管理職層のマネジメントの質を高めることに注力しています。
人的資本経営の推進を通じて目指すべきもう一つのゴールは、従業員一人ひとりが 「三ツ星で働くことに誇りを感じる」 と言える会社にしていくことだと私は考えています。企業価値の持続的な向上と、従業員一人ひとりが誇りを感じて働ける会社の実現 ――その両立を目指し、引き続き人的資本経営の取り組みを進めてまいります。
ステークホルダーの皆様へ

自動車業界におけるEV化の進展をはじめ、市場環境は大きく変化していますが、こうした大きな変化を、当社は決してリスクとしてではなく、成長の機会として捉えています。創業より培ってきた技術と知見、そして、開発・生産の両面にわたるものづくりの力を礎に、市場のニーズに即した製品開発を進め、持続的な企業価値の着実な向上を目指してまいります。
そして、その推進力となっているのは、ほかでもない従業員一人ひとりの意識と行動の変化によるものだと私は考えます。当社グループに関わる全ての従業員が、当社での業務を通じて自己成長を実現し、誇りを持てる会社へ。 ――これが、今私たちが取り組みを進めている企業風土の変革であり、未来を支える基盤です。
成長と変革への挑戦を続ける当社にぜひご期待いただき、引き続きのご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年10月

