Sustainabilityサステナビリティ
バリューチェーンマネジメント ①調達活動
基本的な考え方
優れた品質の製品・サービスを、適正な価格で安定して調達することは、事業活動を持続可能な形で展開するための前提条件であり、そして、その基盤となるのは、お取引先と当社グループとの確立された信頼関係に他なりません。
「三ツ星ベルトグループ調達方針」でコミットしております通り、全てのお取引先と、"公正・公平な調達活動"を行い、"相互に信頼できるパートナーシップを構築"し、三ツ星ベルトグループとお取引先により新たな価値を共創できる関係の構築に取り組んでまいります。
調達ガイドラインを制定・開示
三ツ星ベルトグループが、持続可能な社会の実現に貢献していくためには、お取引先と価値観を共有のうえで、「CSR調達(コンプライアンス、人権尊重、安全衛生、情報セキュリティ、情報開示等)」、「グリーン調達(気候変動対応、生物多様性保全、水セキュリティ、サーキュラーエコノミー等)」の深化に取り組み、さまざまな社会課題の改善に取り組んでいく必要があります。
2023年、持続可能な社会の実現への取り組みをバリューチェーン全体でより活性化させていくために、国連グローバルコンパクトが定める、人権、労働、環境、腐敗防止に関する10原則に則り、三ツ星ベルトグループの調達に関する考え方、お取引先と共に取り組みたい内容を、「調達ガイドライン」として制定・開示いたしました。人権やCO2削減、または生物多様性などの項目において、当該ガイドラインに基づきバリューチェーン全体での負の影響を特定し、お取引先様と協業のうえで持続可能な事業推進のための取り組みを進めてまいります。
※調達ガイドラインはこちら
気候変動対応、生物多様性保全、人権の尊重に向けた取り組み
三ツ星ベルトグループにおける2024年度のScope3-カテゴリ1 「購入した製品・サービス」 に由来するCO2排出量は約80,625tonであり、三ツ星ベルトグループのScope1およびScope2の合計CO2排出量:約71,986tonを上回っています。地球温暖化を止めるためには、当社グループのCO2排出量を減らしていくことも重要ですが、サプライチェーン全体でのCO2排出量を減らすことにも同じように注力しなければなりません。
生物多様性の保全活動においては、管理が不十分な「天然ゴム」の栽培による森林破壊が生物多様性の保全を脅かしており、また、同じく管理が不十分な「綿」の栽培による散水、農薬汚染が、既に高い水ストレスが存在する栽培地域の水ストレスを一層悪化させていることが明らかになりました。2024年、欧州森林破壊防止規則(EUDR)※に対応した活動として、天然ゴムのサプライヤーにEUDRに準拠した天然ゴムの供給が可能であるかどうかを調査していただきました。2025年は、EUDRに準拠した天然ゴムを供給していただき、デューディリジェンスを実施し、EUDRに準拠した製品供給を開始する計画です。
※ 世界の森林破壊・劣化に対するEUの加担を最小限に抑えることを目的として、事業者および貿易事業者がEU市場にて取引するコモディティ7品目(カカオ、コーヒー、パーム油、ゴム、大豆、牛、木材 およびその派生品)を対象に、森林破壊につながる製品の取引禁止やデューディリジェンス実施を求める規則。中小企業では2026年6月30日から、中小企業以外では2025年12月30日から EU域内においてEUDR 基準に満たしていない製品の販売が禁止される。
人権デューディリジェンス活動においては、当社グループの主力製品である伝動ベルトの原材料として使用する「天然ゴム」、「綿」の生産地における強制労働、児童労働が、取り組むべき人権リスクに特定されています。前述のEUDRに対応した活動では、森林破壊だけでなく法令遵守について(強制労働、児童労働の有無等)も同時に調査が行われています。2025年はこの情報を人権デューディリジェンス活動に展開する計画です。
三ツ星ベルトグループの事業活動は、バリューチェーンを含み、さまざまな社会課題と密接に関係しています。三ツ星ベルトグループは、これら社会課題の解決に向け、価値観を共にするお取引先と連携して取り組みを推進してまいります。
サプライヤーコミュニケーションツールの導入
2024年、三ツ星ベルトグループでは、お取引先のESG関連情報を収集し、その情報を使用してサプライチェーン全体のESG活動を活性化することを目的としたサプライヤーコミュニケーションツールを導入しました。トライアルとして主要30社を対象にしたESGサーベイ、及びその結果説明会を実施しております。2025年以降、対象範囲を拡大し当社グループ全体の活動として参りたいと考えています。
お取引先監査について
三ツ星ベルトグループでは、お取引先の環境保全および品質保証に関する取り組み状況を監視・評価・改善する目的で、毎年、ISO14001(環境管理システム(EMS)) またはISO9001・IATF16949(品質管理システム(QMS))に準拠した、二者監査(場合によって一者監査)を実施しております。監査対象となるお取引先は、過去の監査結果を反映させて絞り込んでおります。
これまでの監査の結果から、環境保全および品質保証に関しては、お取引先での取り組み状況は良好であると判断していますが、今後は、監査を行うお取引先の範囲を、三ツ星ベルト本社購買部のお取引先から、グループ関連会社のお取引先にまで拡大していく必要があると考えています。
また、2020年度より、お取引先に事業継続計画(BCP)の策定・運用を依頼しており、毎年策定状況の調査を行っております。2024年度の調査では、対象企業79社の内、79社のお取引先においてBCPの策定が確認できました。今後、運用状況の調査を継続したいと考えています。
お取引先監査実施状況 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
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環境 | 実施件数 | 21件 | 18件 | 19件 | 22件 |
不適合件数 | 0件 | 0件 | 0件 | 0件 | |
品質 | 実施件数 | 21件 | 18件 | 20件 | 26件 |
不適合件数 | 0件 | 0件 | 0件 | 0件 | |
BCP | 実施件数 | 54件 | 75件 | 79件 | 79件 |
不適合件数 | 18件 | 14件 | 7件 | 0件 |
パートナーシップ構築宣言
2021年、三ツ星ベルトは、経済産業省が提唱するサプライ チェーン全体での新たな付加価値の創造と適正な取引を目的とした「パートナーシップ構築宣言」を行いました。