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Vベルトの取付け方法

ベルトの取付け方

  • 装置電源をオフにし、各プーリがフリーで回転する状態とします。
  • ベルトは軸間距離を狭めた後、セットします。
    ※無理なはめ込みはベルト故障の原因!
  • 軸離距離を広げ、ベルトに張りを与えます。
  • プーリを手動で回転させ、ベルトをなじませます。
  • 張力設定-新品取付(理論初張力 To×1.5)
    暫定張力を付与→約1分のならし運転→適性張力に設定します。
  • 張力設定-張直し(理論初張力 To×1.3)
    ベルトとプーリのなじみでベルトが緩んだ後(図参照)、適正張力に張直しを行います。
    ※ベルトがプーリになじむ時間
     ご使用条件・環境、機体剛性により異なります。1時間~数日運転後を目安として下さい。
    ※張力付与状態の簡易確認方法
     ・プーリが熱い:ベルトの張りが弱い、またはスリップの可能性あり
     ・軸受部が熱い:ベルトの張りが強すぎる可能性あり
     

張力測定方法

シングルタイプ:ベルトの振動やたわみ荷重で張力を設定します。
マルチタイプ:ベルトが連結されているため、ベルトの振動やたわみ荷重で張力を正確にチェックできません。 ベルト外周長で張力を設定します。
    表.1 

張力測定
方法
1. ベルトの振動 2. ベルトのたわみ荷重 3. ベルト外周長
測定機器 音波式張力計
(ドクターテンション)
ペンシル型張力計 メジャー
シングル
タイプ

(推奨)
×
マルチ
タイプ
× ×

 ※「適正張力計算コーナー」でも算出いただけます。

 当社ホームページの「サポート・ダウンロード」ページ内の「ベルト設計支援ソフト」「適正張力計算コーナー」をご利用下さい。当社へ設計検討をご依頼いただければ、所与の条件での最適なベルト選定および張力計算結果をご報告いたします。

ベルトの振動による張力測定/シングルタイプ

・「適正張力計算コーナー」でも算出いただけます
・音波式張力計(ドクターテンション)に「測定スパン長」と「ベルト単位質量」を入力します。
・ベルトを軽くはじくと張力や周波数が表示されるので、軸間調整を調整して適正張力に設定します。
   ※1:周囲の騒音が大きいと正確に測定できない可能性があるため、できるだけ静かな環境で測定して下さい。
   ※2:張力調整で軸間移動後は測定前にプーリを回転させベルトをなじませて下さい。
   ※3:C形、D形、E形、8V形はベルトが太く振動周波数がかなり低くなるため、振動を正確に検出できない可能性があります。
    最初の張力設定時はたわみ荷重による張力と比較して下さい。
   ※4:ベルト単位質量は表2.1~2.4をご参照下さい。


表.2-1 ベルト単位質量(kg/m)

  K M A B C※3 D※3 E※3
スタンダードVベルト 0.04 0.05 0.12 0.20 0.35 0.65 0.65
レッドVベルト 0.04 0.05 0.12 0.20 0.35 0.65 1.00
e-POWER® Vベルト - - 0.11 0.18 0.30 0.60 -

表.2-2 ベルト単位質量(kg/m)

  3V 5V 8V
マックスター
ウエッジベルト
0.08 0.23 0.60
e-POWER
WEDGE®
0.08 0.08 0.51

表.2-3 ベルト単位質量(kg/m)

  AX BX CX
e-POWER®
ローエッジベルト
0.1089 0.1767 0.3184

表.2-4 ベルト単位質量(kg/m)

  3VX 5VX
マックスター
ウェッジシュプリーム
0.0756 0.2073


ベルトのたわみ荷重による張力測定/シングルタイプ

  • 「適正張力計算コーナー」でも算出いただけます。
    たわみ量は100mmスパン長あたり1.6mmです。
    例:スパン長1746mm→たわみ量=1746×1.6/100≒28mm
  • ペンシル型張力計で、たわみ測定用リングを上記たわみ量に、たわみ(張り)荷重測定リングをゼロにセットします。
  • たわみ荷重の測定は測定スパンの中心で行います。
    「たわみ測定用リング」が測定両端プーリの外周をまっすぐ結ぶ線と重なるまで、張力計を押しあてます。
  • 「たわみ(張り)荷重測定リング」の停止位置で数値を読取ります。
    上記を軸間調整で適正張力に設定します。

ベルト外周長による張力測定/マルチタイプ

 マルチタイプはスタンダードベルト、マックスターウエッジベルトそれぞれ3タイプ、計6タイプをラインアップしております。 

表.3-1

  B C D
スタンダードVベルト あり

52~440 inch

あり

65~440 inch

あり

95~440 inch

表.3-2

  3V 5V 8V
マックスター
ウエッジベルト
あり

45~140 inch

あり

63~355 inch

あり

100~600 inch

(張力測定)
マルチタイプはベルト伸び率を利用し、ベルト外周長で張力を測定します。
・「適正張力計算コーナー」でも算出いただけます。
・張力に応じたベルト長さ掛け定数は表.4から読取ります。
・適正張力時のベルト外周長は下式で求めます。
適正張力時のベルト外周長=フリーのベルト外周長×ベルト長さ掛け定数
ベルト外周長を実測し、軸間調整で適正張力に設定します。
※フリーのベルト外周長
呼称長さは有効周長のためメジャー等で実測して下さい。
外周長が測定できない場合は1mの標線等を代用して下さい。
※ベルト長さ掛け定数:適正張力がカタログから選択できない場合、定数は表.5から算出して下さい。
※張力調整で軸間移動後は測定前にプーリを回転させベルトとなじませて下さい。

表.4 ベルト長さの掛け定数(ベルト1リブ当たり)






























表.5 ベルト長さ掛け定数算出式(適正張力がカタログから選択できない場合)

 ベルト形 ベルト長さ掛け定数算出式
B形 -3.31×10-10×T2+1.4084916×10-5×T+0.999831441917
C形 -0.32×10-10×T2+1.0225697×10-5×T+0.999996795229
D形 0.10×10-10×T2+0.5069175×10-5×T+1.000016260628
3V形 65.91×10-10×T2+1.6633810×10-5×T+0.999131156392
5V形 17.45×10-10×T2+0.4928857×10-5×T+0.999968219901
8V形 [981~4410N/リブ]
4.78×10-10×T2+0.1774561×10-5×T+1.000000726429
[4410~4900N/リブ]
-40.26×10-10×T2+4.0540677×10-5×T+0.916638219178
※T:1リブあたりの張力