会社案内
会社案内

「ママライン 低収縮ベルト」
開発ストーリー 食品業界が抱えていた課題を解決に導いた低収縮仕様の樹脂ベルト

お客様の潜在的なニーズを出発点とした開発へ
発想の転換が画期的な製品開発につながりました

三ツ星ベルトの搬送用樹脂ベルトは、従来、営業が吸い上げてきたお客様のニーズを受けて開発するスタイルでした。もちろんお客様のニーズを具現化することは、開発の基本です。しかし、それだけでは他社に追いつけ追い越せの開発に終始し、価格競争から抜け出せません。状況を何とか打開したいという想いから、お客様の潜在的ニーズを研究テーマとして温め、製品化するスタイルへと舵を切ったことが、今思えば功を奏しました。

まず部下の技術者たちを数年間、営業に就かせることにしました。私自身が技術営業に携わった経験から、技術者も外に出てお客様の“本当の声”に触れる必要があると考えたのです。 方向転換の結果、以前よりもお客様の要望の“核心”をついた開発ができるようになりました。 自分たち発の開発は技術者のモチベーションが上がるもの。開発スピードも上がり、若手技術者からも面白い発想がどんどん出てきました。

そうやって生まれた画期的な製品が2010年に発売した「低収縮仕様の樹脂ベルト」です。食品業界のお客様が潜在的に困っていることを解決でき、まだどのメーカーも開発を手がけていないことは何か、技術部での打ち合わせから、開発は始まりました。ハードルの高い開発でしたが、現在でも他の追随を許さない品質を実現した製品は、改良を重ね、食品業界での用途が大きく広がっています。

新開発の裏面帆布で、塩分、油分などを含んだ食品搬送に伴う問題を解決

「思いつき」が難航した開発の打開策に!

低収縮ベルトとは、名前の通り、収縮が起きにくい搬送ベルトのこと。食品業界では搬送する食品に含まれる塩分や油、粉体などがベルト裏面の帆布にすり込まれることで、ベルトが波を打ったように収縮する現象が課題になっていました。収縮によって、ベルトの蛇行や部品の破損、また、取り外した後に装着ができないなど数々の不具合が生じていたのです。そこで私たちは、搬送物がすり込まれにくく、かつ、すり込まれても収縮しない全く新しい裏面帆布を開発することで、食品業界の課題を解決することに成功しました。

しかし、製品化への道のりは簡単ではなく、ベルトの収縮現象を解明する研究から発売までに3年の月日を要しました。苦心したのは、収縮を簡単に再現する評価方法の確立と帆布の試作でした。特に帆布については、糸の太さや種類、織り方の密度などを試行錯誤しましたが、なかなかすり込みの解消には至りませんでした。そんなとき、当社の伝動ベルトで使われている帆布を試してみることを思いついたのです。「なんと伸びやすく目が細かい性状だろう」というのが、最初の感想。これを自分たちの製品に応用することが、打開策となりました。社内の走行テストだけでなく、お客様先での試作品モニター評価でも、「数カ月使用しても収縮が起きない」という結果が出たときは、安堵と喜びでいっぱいでした。

ベルトの長寿命化にも貢献

これまでにないタイプの帆布だったため、その後も量産化の段階で、樹脂表面ベルトへの接着処理などに苦労しましたが、上司や製造担当者、取引先などの協力を得て、無事に製品の発売にこぎつけることができました。

新開発の帆布の最大の特徴は、搬送物のすり込みが起きない特殊な表面性状です。製品を使っていただいているお客様からは、すり込みが起きないだけでなく「ベルトの寿命が延びた」という嬉しい声もいただいています。開発が成功したのは、諸先輩が築き上げてきた搬送用樹脂ベルトの技術があったからこそ。また、突拍子もない発想や思い付きを自由にトライさせてくれる、企業風土があったからだと思います。

製品リリースから数年後、技術営業としてエンドユーザー様や機械メーカー様の生の声を聞く機会を得ました。そこで感じたお客様の声を形にすべく、今後も柔軟な発想でお客様の“困りごと”を解決できる製品を生みだしていきたいと思っています。

■すり込み収縮評価

「ロジスター 傾斜ベルト」開発ストーリー

ページトップへ