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「LOGISTAR 高性能傾斜ベルト」
開発ストーリー 高い搬送力と静音性を両立させた高性能傾斜ベルトの開発

ゼロベースからのパターン開発によって
「日本中の空港のベルトを三ツ星製に」を実現

高い搬送力と静音性の両立という難易度の高い挑戦

物流センターや空港ターミナル、通販の配送センターなど大量のモノを運ぶ現場では、搬送の効率化と高速化がますます進んでいます。そうした現場では、省スペース化のため、急角度でモノが運べる傾斜ベルトが使われているのが一般的です。特徴は、傾斜でモノがずり落ちないように、ベルト表面に凹凸をつけてグリップ力を高めていること。しかし、ベルト走行時の騒音の大きさや、凹凸にほこりがたまることによる搬送力の低下など、さまざまな課題を抱えていました。

開発した傾斜ベルト「LOGISTAR ヘリンボーンパターンベルト」は、これらの課題をすべて解消し、現在、国内のほとんどの空港ターミナルで活躍しています。開発のきかっけは、羽田空港の拡張などに伴う物件の受注獲得を目指したものでした。同期の営業担当から「このベルトが開発できたら、日本中の空港のベルトをすべて三ツ星製にしてやる!」と言われて奮起し、約2年半の開発期間をかけて実現することができました。

多くの課題を解決するには、まったく新しいベルト表面のパターンを開発する必要がありました。搬送ベルトの開発に20年間携わってきましたが、いったん先入観を捨て去り、ゼロから創り上げていく難易度の高い挑戦でした。

発売から10年が経過した今も変わらない圧倒的な優位性

「新しい製品を生むには、広い視野を持つ必要がある」。表面パターンの開発は、日頃、モットーにしていることの実践そのものでした。ホームセンターにある滑り止めマットがヒントにならないか。自動車などのタイヤの表面パターンにはどんなものがあるか。あらゆる製品にヒントを求め、営業や事務などの社員からもイラストを募りました。

基準を設けて絞り込みを進め、接触面積と摩擦係数を数値化したデータから評価して最終的に行きついたパターンが、魚の骨のような形状をしたヘリンボーンだったのです。本製品では、このパターン開発に最も多くの時間を費やしました。

ベルト表面カバーとして開発した特殊エラストマとの相性が良かったことも功を奏し、ほこりが付きにくく、ほこりが付着しても傾斜角30度でも搬送が可能なベルトを実現することができました。大きな課題だった走行時の騒音も、従来品に比べて大幅に削減することができました。

当部門では、開発担当者が製品の設計や性能評価から、製造条件の設定、納品後のお客様のフォロー、点検・性能確認まで一貫して担います。この傾斜ベルトの場合も、製品化後に自身で使用現場にメンテナンスに行きました。行く先々で設備担当者から「このベルトはすごい!メンテナンスがほとんどいらない」と笑顔で言われたことが、今でも忘れられません。製品化までの業務にほぼすべて携わったからこそ、喜びもまた大きいものでした。

発売から10年たった現在も、本製品の優位性は変わりません。世の中には数千種類にも上る搬送用樹脂ベルトが存在します。その中で、お客様が自然と当社の製品を選んでしまうような魅力ある製品づくりを、これからも目指していきたいと思っています。

食品衛生法に適合した初の高性能傾斜ベルトの開発に成功!

他社も手を出さない困難な樹脂設計への挑戦

食品工場でも、スペースを有効活用するため、傾斜角度の大きいラインの導入が求められています。また、食品衛生に対する消費者の目が厳しくなっている中、包装された食品であっても、衛生面での安全性に万全を期したいというニーズも高まっています。

上司の森本が開発した「ヘリンボーンパターンベルト」は優れた傾斜搬送能力がありますが、物流業界向けに開発されたものでした。そこで、食品業界のお客様にも安心して使っていただけるよう、ヘリンボーンパターンと食品衛生法に適合する樹脂を組み合わせたベルトの開発を任されたのが、2013年。材料の選定に2年以上費やしましたが、2016年に開発に成功したベルトは、現在でも、食品衛生法に適合した唯一の急傾斜ベルトとして、食品工場の傾斜搬送用ベルトとして採用が広がっています。

開発は、ベルトの樹脂材料の研究から始まりました。物流業界向けの傾斜ベルトに使われているPVC(ポリ塩化ビニル)は食品衛生法に適合させるのが厳しく、代わりにウレタン樹脂を採用することは当初から決まっていました。しかし、ウレタンは屈曲性や耐摩耗性に優れるものの、食品工場で使用されている小型のラインで、ベルトに亀裂が発生しないような樹脂として設計するのは、困難を極めました。

あきらめない心で検討を重ね、要求品質以上の製品を実現

材料メーカーと綿密な打ち合わせをして、試作品を作っては評価を繰り返しましたが、なかなか思うような性能が得られませんでした。しかし、あきらめるわけにはいきませんでした。入社2年目で初めて主担当を持ったのが、この開発でした。実現の難しさから他社も手を出さない難易度の高い開発とわかっていたからこそ、任せてくれた期待に応えたいという想いがあったからです。

良い成果が得られなくても、「まだやれることはあるだろう」と性能向上に向けた検討を重ねました。先輩や上司にも相談を繰り返し、最終的には要求品質を充分に満たす製品を創り上げることができ、お客様に「良いベルトだ」と言っていただけたときには苦労が報われた想いがしました。

開発では、樹脂のほかにも、ベルトの芯体となる帆布や、物理的な摩耗力、食品衛生法や使用材料の規制など多くの知識が求められ、広い視野と好奇心を持つ大切さを実感しました。 今回の開発は上司が開発した「ヘリンボーンパターン」という高性能な形状があって成り立っています。今後は、自分で考案した形状や新規材質を使った新製品開発を実現させるのが目標です。そのためにも知識の幅を広げ、さらに柔軟な思考で物事を考えていけるようになりたいと思っています。

  • 空港用ベルト
  • 食品用ベルト
■傾斜運搬能力

「Tallor加工 プレミアムシール・プリント」開発ストーリー

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